円形脱毛症とは
円形脱毛症は、頭部に丸くてはっきりした脱毛斑ができる病気で、場合によっては眉毛やひげなど体の他の部分にも毛が抜けることがあります。最新の日本皮膚科学会の診療ガイドライン(2024年版)によると、これは毛を作る毛包が自己免疫の異常でリンパ球に攻撃されることで起きると考えられています。免疫の攻撃が抑えられると、毛は元通りに生えてくることが多いです。
甲状腺疾患や尋常性白斑、アトピー性皮膚炎など、ほかの自己免疫疾患と一緒に起こることもあり、発症の詳しい原因はまだ完全には解明されていません。
治療方法
円形脱毛症の治療は主に以下の方法があり、患者さんの年齢や脱毛の範囲、病状により組み合わせて行われます。
外用療法(ぬり薬)
- ステロイド外用薬:炎症を抑えてリンパ球の攻撃を弱める作用があります。
- 血行促進剤や免疫調節剤などが使われることもあります。
局所注射療法
- ステロイドの局所注射は限局した脱毛斑に直接打ち、最も効果的な治療の一つですが、長期投与を行うと皮膚萎縮等の副作用がみられ、小児には痛みが強いため控えられることが多いです。
光線療法
- 赤外線や紫外線を使い、炎症を抑える治療法で、軽度から中等度の円形脱毛症に用いられます。
局所免疫療法
- 皮膚にかぶれを起こす薬剤を塗り、免疫のバランスを整える治療法です。日本では自費診療が多いですが、効果が認められています。
内服療法(重症例向け)
- 近年は経口によるJAK阻害薬(バリシチニブ)、JAK3/TECファミリーキナーゼ選択的阻害薬(リトレシチニブ)が登場し、全頭型や重症の円形脱毛症に適用されています。これらは自己免疫の異常を根本から抑制し、治療成績が向上しています。ただし副作用リスクもあるため医師の管理下で使用します。
注意点と経過
円形脱毛症は自己免疫疾患であり、完全に治るとは限りません。治療により症状が改善することが多いですが、再発や脱毛範囲の拡大が起こることもあります。治療法や副作用のリスクを理解し、医師と相談しながら続けることが大切です。
まとめ
円形脱毛症は自己免疫による毛包の攻撃で起こる脱毛症で、ステロイド外用・注射療法や光線療法、局所免疫療法などを用いて治療します。当院ではステロイド外用療法、ステロイド局所注射療法、光線療法、重症な場合に限りJAK阻害薬内服療法を行うことができます。患者さん一人ひとりに合った治療方針のもと、適切な管理が必要です。
参考文献・出典
- 日本皮膚科学会 「円形脱毛症診療ガイドライン 2024」
- 医療情報サイト「円形脱毛症の治療と評価」