ほくろとは
ほくろは医学的に「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」と呼ばれ、未分化のメラノサイト系の母斑細胞が表皮や真皮内で増えることでできる良性の皮膚腫瘍です。形は平らなものから盛り上がったものまで様々で、色は黒や褐色、茶色などが一般的です。ほくろには体毛が生えていることもよくあります。良性であることがほとんどですが、悪性黒色腫や基底細胞癌などの悪性腫瘍と見分けが必要な場合があります。
ほくろの原因と種類
ほくろは母斑細胞という色素を作る細胞が増殖することでできます。生まれつきのものもあれば、日光やホルモンの影響で後からできることもあります。種類には次のようなものがあります。
- Unna母斑:腕や太ももにできやすく、有茎性あるいは小さい結節で表面はでこぼこした形状。
- Miescher母斑:顔や首、頭にできる半球状(ドーム状)のほくろ。
- Spitz母斑:若者に多く、急に大きくなることもあり悪性と間違えやすい。
- Clark母斑:胴体や手足にでき、①不整な形、②境界がぼやけている、③色味に濃淡がある、のうち2つ以上の特徴を有するもの。
当院での治療
(保険診療)
当院ではまずダーモスコピーを用いて詳細に観察し、悪性の疑いがあれば大学病院など専門機関に紹介します。
メスによる切除縫合も状態に応じて行います。
(保険外診療)
小さなほくろは患者さんの希望に応じて、局所麻酔下に炭酸ガスレーザーを照射して除去します。治療後は1〜2週間、患部をテープで保護します。
レーザー治療は施術部の熱によって細胞を破壊しますが、体質や部位によってはケロイドになるリスクや、ほくろが再発する可能性もあるため、事前に丁寧な説明と診察が重要です。
まとめ
ほくろは良性の皮膚腫瘍であり、多くは問題ありませんが色や形の変化がある場合、悪性化の可能性もあるため早めの受診をお勧めします。診察ではダーモスコピーを用い、必要に応じて専門医に紹介。治療はレーザーや切除など患者の状況と希望に合わせて行います。正しい知識と専門的診断で安全に対応しましょう。
参考文献
- 日本皮膚科学会 皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第2版(2024年)
- 清水 宏著 「あたらしい皮膚科学」中山書店 第3版 2018年 378-381ページ
- 大塚 藤男著 「皮膚科学」金芳堂 第10版 2018年 531ページ